- 2025年1月8日
「更年期障害の症状と治療法|自分でできる対策と受診のタイミング」

更年期障害は、40代から50代にかけての女性に多く見られる、心と体に現れる変化のことです。多くの女性が経験するものの、症状や影響の大きさには個人差があり、早期の対策が大切です。この記事では、更年期障害の原因と代表的な症状、日常生活でできる対策法について詳しく解説します。
✓更年期障害の症状や原因って何??
✓自分で調べる方法ってあるの?
✓治療方法は?
このような疑問や不安を解決できます。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【更年期障害とは?症状と原因を詳しく解説】

更年期障害は、女性ホルモンの変化によって引き起こされる様々な心身の不調のことです。
40代後半から50代にかけて多くの女性が経験する症状で、決して珍しいものではありません。
一般的に更年期障害は45歳前後から始まり、閉経(月経が完全に止まること)の前後約10年間続くことがあります。この時期は、卵巣からのエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が徐々に低下していく時期にあたります。
主な症状には、ホットフラッシュ(急な体の熱感)や寝汗、めまい、頭痛、肩こりなどの身体症状があります。また、イライラや不安感、不眠、憂うつな気分といった精神的な症状も現れることがあります。
詳しくは、こちら「40代から始まる更年期障害とは?知っておきたい原因と対策法」もご覧ください。
【更年期障害の診断方法と評価基準】
更年期障害の診断では、まず問診と症状の評価を丁寧に行います。
日本では「簡略更年期指数(SMI)」という評価方法が広く使われています。
簡略更年期指数では、以下の10項目の症状について、それぞれ0点(無)から最大14点(強)で評価します。
合計点数によって、評価内容が異なります。
また、更年期障害の補助的な診断として、血液検査も行う場合があります。
主な検査項目には以下のようなものがあります:
・FSH(卵胞刺激ホルモン):閉経の判定に使用
・エストラジオール(E2):女性ホルモンの一種で、その低下を確認
・甲状腺ホルモン:甲状腺機能の確認 ・
これらの検査により、更年期障害なのか、または他の病気の可能性があるのかを見極めることができます。
【自分でできる更年期障害への対策と生活改善】

更年期障害の症状を和らげるためには、生活習慣の見直しが有効です。以下におすすめのケア方法を紹介します。
1. バランスの良い食事を心がける
更年期には、カルシウムやビタミンDを意識して摂ることで、骨の健康を守りやすくなります。また、エストロゲンと似た働きを持つ「イソフラボン」を含む大豆製品(納豆、豆腐など)も積極的に摂取すると良いでしょう。さらに、糖質や脂質を控えめにし、野菜や魚を多く取り入れることで、体全体のバランスが整いやすくなります。ただし、イソフラボンを摂取しても、それを分解することができる方は約50%程度と言われています。そのため、サプリメントの摂取を検討されておられる方は、「エクエル(大塚製薬)」をおすすめいたします。
2. 軽い運動を取り入れる
運動は、ホルモンバランスを整えるとともに、気分転換にもなります。毎日30分ほどのウォーキングやヨガなど、体に負担が少なく続けやすい運動が適しています。運動により血流が改善し、筋肉や骨を強化することにもつながります。
3. 十分な睡眠を確保する
質の良い睡眠をとることは、心身の回復に非常に重要です。寝る前のスマートフォンの使用を控え、リラックスできる環境を整えましょう。睡眠不足や夜中に目が覚めやすい場合は、ホットミルクを飲むなど、眠りを促す習慣を試してみるのも効果的です。
4. ストレス解消を心がける
趣味やリラックスできる時間を大切にし、無理に頑張りすぎないことも大切です。ストレスがたまると更年期障害の症状が悪化することがあるため、心の健康を守ることも意識しましょう。
【クリニックでの更年期障害の治療法】

症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、婦人科の専門医への受診をお勧めします。
治療の基本となるのが、ホルモン補充療法(HRT)です。これは、低下した女性ホルモンを補う治療法で、多くの方の症状改善に効果があります。この治療は、産婦人科の専門医のもとでされることをお勧めします。
一方で、ホルモン補充療法に不安がある方や、ホルモン剤が使えない方、受診すること自体に悩んでいる方などは、まずはお気軽に当院でご相談ください。
当院では、漢方薬による治療やプラセンタ注射、サプリメントの治療を提案しています。
また漢方は、同じ症状・同じご年齢の方でも、効果がある場合とない場合がありますので、その方々の症状や体質に合わせて漢方薬を選択いたします。
更年期障害は、適切な治療と生活改善で十分に対処可能な症状です。つらい症状が続く場合は、一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。早めの対応が、より良い治療結果につながります。
【医療機関に相談しましょう】

セルフケアで改善が見られない場合、無理せず専門医に相談することも重要です。
症状をお聞きして、必要に応じて女性ホルモンの採血を行います。その結果も踏まえて、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬などの治療法を提案いたします。また当院ではプラセンタ治療も行っております。各々の治療にはメリット・デメリットがあるため、その方々の症状やライフスタイルに合わせた治療法を提案させていただきます。
また症状の程度によっては、ドラッグストアで購入できるサプリメントや漢方薬も選択肢の一つですが、自己判断での服用は避け、お気軽にご相談ください。
結論
更年期障害は、体の自然な変化によって引き起こされるものですが、正しい知識とケア方法を知っていることで、穏やかに乗り越えることができます。心や体に現れる変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、セルフケアと専門的なサポートを活用し、より快適な日々を目指しましょう。

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