当院の
下肢静脈瘤治療について
「本当にこのままにしていいの?」
静脈瘤外来をしていて、一番多くお聞きする患者様の声です。
下肢静脈瘤の患者様の多くは、「放っておけばいい」「ストッキング履いていればいい」と言われた方が多いと思います。一方では、「すぐに手術をした方がいい」「血栓になる可能性がある」などと言われた方もおられるのではないでしょうか。
これらの判断は全て間違いというわけではありませんが、一部は誤った考え方です。また、これらは本当に患者様の不安に沿った答えでしょうか。
「見た目が気になる」や「症状が気になる」、「治療した方がいいのか?」など、不安は様々だと思います。
当院では、下肢静脈瘤の正しい診断と治療をまず行い、そのうえで、患者様それぞれが一番不安に感じておられることに最も適した治療法を一緒に選択しています。
なお、下肢静脈瘤の検査は、痛くない超音波検査(エコー)ですので、お悩みの方、まずはご相談ください。
当院の特徴
- 日本脈管学会認定脈管専門医、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術実施医・指導医である院長が診療を行います。
下肢静脈瘤の治療は10年以上行っており、下肢静脈瘤の専門外来も担っておりました。 - 手術が必要なときも、院内で対応することができます。なお、日帰り手術となりますので、入院の必要はありません。また麻酔科学会認定医でもある院長が静脈麻酔と局所麻酔を併用して鎮静も行いますので、「眠っているうちに手術が終わります」。そのため、眠っている間に終わって楽でしたというお声を多くいただいております。
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤は、足の血管はボコボコとしたコブのようになる病気です。良性のため、命にかかわることはありませんが、様々な症状が起こるため、日常生活への影響を及ぼします。長時間の立ち仕事、加齢、出産・妊娠、肥満や便秘などの生活習慣病、などに該当する方は下肢静脈瘤が起こりやすいといわれています。
下肢静脈瘤の原因
静脈は心臓から全身に廻った血液が、再び心臓に戻る通り道です。そのため、足の静脈は重力に逆らって、頭側に向かって進む必要があります。血液もお水と同じで、通常は重力に従って足側に向かって流れようとしますが、通常は一方通行の扉(逆流防止弁)があるため、足側に向かって逆流は起こりません。しかし、何かしらの原因で、その扉(逆流防止弁)が働かなくなった時に、血液が足側に向かって逆流するため、足の静脈に血液が溜まって、血管がだんだん拡張していき、様々な症状が起こります。
下肢静脈瘤の症状
初期症状はあまりありませんが、放置することで症状が悪化する場合があります。進行すると潰瘍や湿疹・色素沈着を起こすことがあり、治りにくい潰瘍の原因となっていることもありますので、早めにご相談ください。
- 足の血管がボコボコしている(足の血管が目立つ)
- ボコボコした部分が赤くなる、痛みがある、ピリピリする
- 足の血管が浮き出ている
- 足がむくんでいる
- 足が痛い
- 足がつりやすい
- 足がかゆい(なかなか治らない)足の潰瘍がある
- 足ががだるい・重い
- 足が疲れやすい
- 足のほてりや不快感 など
下肢静脈瘤の治療法
大きく分けると、手術と弾性ストッキング着用による圧迫療法に分かれます。内服薬では治りません。治療適応は、以下の通りです。
- 見た目が気になって、温泉などに行けない、スカートなどははけない など
- 症状がありつらい など
手術
下肢静脈瘤血管内焼灼術
エコーで観察をしながら、専用のカテーテルで不要な静脈瘤を治療する方法です。当院では鎮静を行って眠っている間に手術が終わりますので、体への負担も少ないです。日帰り手術ですので、入院の必要はありません。手術当日より歩行可能です。また痛みも少ないため、基本的には通常通りの日常生活を送っていただけます。
※治療内容によっては、手術日当日のみ治療した足を包帯固定する場合がありますので、詳しくはご相談ください。
下肢静脈瘤血管内塞栓術(グルー治療)
2019年12月に保険適応となった治療方法です。血管内焼灼術との大きな違いは、熱を用いないことです。また現時点で、血管内焼灼術と治療成績には差がないといわれています。ただし、塞栓物質に対するアレルギーがあれば治療できません。また、静脈瘤の大きさや蛇行の程度などから、全ての方にできる治療ではありませんので、ご相談ください。
※民間の医療保険や生命保険などで、手術給付金を支給される場合があります。加入されている保険によっては給付されない場合もありますので、詳しくは各保険会社にお尋ねください。保険給付ご希望の方は、各保険会社の所定の診断書をご持参いただければ、当院で記載いたします(有料)。
硬化療法
多くの静脈瘤は、術後に徐々に消失していきますが、一部の静脈瘤が残る場合もあります。その場合、硬化療法といって、静脈瘤の中に硬化剤を注入して閉塞させる治療法です。硬化剤が血管内に炎症を起こし、閉塞させるため、数か月程度で徐々に吸収されていきます。
弾性ストッキング治療
医療用ストッキングで足を締め付けて、足の筋肉による血液を上に持ち上げるポンプの作用を助けて、症状を緩和する治療です。当院では、足のサイズを測定して、その方に合った弾性ストッキングを処方します。ただし、症状の改善は期待できますが、静脈瘤自体の見た目は変わりませんので、その場合は手術をおすすめする場合があります。また、弾性ストッキングは硬くて履きにくかったという方もおられると思いますが、弾性ストッキングコンダクターでもある院長が、履き方をわかりやすく説明いたします。
所用時間とスケジュール
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まずはご予約ください
- まずはお電話またはWebにてご予約ください
- その際に、受診日時をお伝えいたします
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問診などを行います
(所用時間:約10~15分)- 当院指定の問診票にご記入いただきます
- 患者様の症状や既往歴などを確認いたします
- お薬を服用されている方は、お薬手帳などをお持ちください
※問診票への記入は、Web予約の際に行うこともできます
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エコー検査を行います
(所用時間:約15~30分)- 患部の状態を確認するため、エコー検査を行います(痛みはありません)
- これにより、血液の流れなどを確認することができます
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治療が必要な方は、追加でそのほかの検査を行う場合があります(所用時間:約30~60分)
- 必要に応じて、様々な検査を追加します
- 採血や心電図検査、ABIの検査などが主に行われます
- 尿検査などを行うこともあります
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後日、日帰り手術を行います(手術時間:約1~2時間、全体の所用時間:約3~4時間)
- 鎮静を行い、手術を行います
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手術が終わったら、院内で経過をみます(術後60分程度)
- 患者様の状態を確認します
- 今後の注意事項などをご説明させていただきます
※歩いて帰ることができます。
原則、日常生活はいつ通り送っていただけますが、治療内容によっては、手術日のみ治療した足に包帯を巻くため、お風呂に入れない場合があります(翌日朝からは入ることができます) -
経過観察
- 次の来院時に、術後の状態を確認いたします
- 一般的には、術後数日以内、約1か月後、約3か月後、約半年後、約1年後にフォローを行います。
フットケア
下肢静脈瘤は、見た目の問題だけでなく、痛みや重だるさ、夜間のけいれんなど、様々な不快な症状を引き起こすことがあります。しかし、適切なフットケアにより、これらの症状の緩和や進行の遅延が期待できます。当院では、下肢静脈瘤を抱える患者様に向けて、次のようなフットケアのアドバイスを提供しています。
圧迫療法医療用の圧迫ストッキングの着用
圧迫療法医療用の圧迫ストッキングを着用することで、足の静脈の血流が改善され、症状の緩和につながります。正しいサイズと圧力のストッキング選びは非常に重要ですので、専門のスタッフに相談してください。
定期的な足の運動
足首を回す、つま先立ちなどの簡単な運動を日常的に行い、足の血液循環を促進しましょう。特に長時間同じ姿勢でいる必要がある場合は、定期的に足を動かすことが推奨されます。
足を高くする(足のむくみに有効)
日中数回、足を心臓の高さよりも高い位置に置くことで、足の血液循環を改善し、腫れや痛みを軽減することができます。スキンケア(乾燥によるかゆみなどに有効)
乾燥した肌はかゆみや潰瘍のリスクを高めます。保湿剤を使用して肌をしっとり保つことが重要です。また、足の衛生にも注意し、清潔を保つことが推奨されます。当院では、肌の状態に合わせて、いくつかの保湿剤を用意しております。適切な足の使い方
適切な足の使い方を行うことが大切ですが、なかなか難しいのが現状です。当院では、足の使い方指導も行っておりますが、正しい足の使い方をサポートしてくれる靴下(ケアソク)も院内で取り扱っておりますので、こちらもご参照ください
費用
健康保険適用した場合の料金の概算(体格や内容により多少変わります)
手術前
70才以上 1または2割負担 |
3割負担 | |
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診察・エコー検査 | 1,000円~1,700円 | 約2,500円 |
術前検査 (手術が必要となった場合に追加) |
1,000円~1,500円 | 約3,000円 |
下肢静脈瘤の手術
70才以上 1または2割負担 |
3割負担 | |
---|---|---|
血管内焼灼術 (片脚) |
約13,000円~26,000円 | 約39,000円 |
血管内焼灼術 (両脚) |
約23,000円~46,000円 | 約69,000円 |
グルー治療 (片脚) |
約18,000円 | 約55,000円 |
硬化療法 (片脚) |
約3,700~7,400円 | 約11,000円 |
- 標準的な治療を行った場合の自己負担額の目安です。
- クレジットカードをご利用いただけます。
高額療養費制度をご利用になれます
高額療養費制度とは、一ヶ月の間に医療機関や薬局で支払った額が一定額を超えた場合、超過分が支給される制度です。
高額療養費制度では、所得に応じて、ご本人が支払う自己負担額の上限が定められております。
医療保険について
ご加入されている医療保険や生命保険により、高周波カテーテル治療やレーザー治療を受けた際に、手術給付金が支給される場合があります。詳細については、ご加入されている各保険会社にお問い合わせください。
なお、保険給付の際には、各保険会社が出している所定の診断書をご持参いただき、当院でその診断書に必要事項の記載を行います。こちらは有料になります。
自費診療
診断書はご希望の場合のみ発行致します。
- 弾性ストッキング
- 3,740円~4,070円
- 弾性包帯
- 約600円/本
状態によっては2~3本必要になります - 診断書(当院フォーム)
- 2,500円
- 診断書(生命保険用)
- 5,000円