高尿酸血症(痛風)とは
血液中には、プリン体が分解されることで発生する「尿酸」という老廃物が含まれています。この尿酸が必要以上に増えている状態が高尿酸血症です。尿酸自体は水に溶けにくい性質があるため、これが血液中において過剰になると、針状の尿酸塩が作られてしまいます。尿酸塩が足の親指などの関節に溜まるようになると、激痛を伴う炎症が起こります。これを「痛風(痛風発作)」と呼んでいます。
自覚症状について
高尿酸血症になっても、目立った症状が起こらないことも多いです。しかし、針状の尿酸塩によって痛風発作が起こりやすい状態になっています。さらに、痛風結節、尿路結石、腎障害、脳血管障害、心疾患など様々な合併症を発症するリスクが高くなります。こうした病気にならないためにも、健診などで高尿酸血症を指摘された方はお早めに当院をご受診ください。
このような方は注意が必要です
- プリン体の多い食品をよく食べる
- ビールなどを飲み過ぎることがある
- 清涼飲料水をよく飲む
- 激しい運動をすることがある
- 内臓肥満が蓄積している
- ストレスを感じることが多い
- 血縁者に痛風の人がいる
- 水分をあまり飲まない など
高尿酸血症の治療
患者様のタイプを見極めたうえで、尿酸値を下げる治療を進めます。具体的には、まず食事療法と運動療法、薬物療法を行います。食事療法では、野菜、海藻、きのこ、豆類といった食品を積極的に摂取し、減塩も心がけます。プリン体を多く含む食品は尿酸値が高くなりやすいので、なるべく避けるようにします。ビールなどのアルコール飲料を飲まれる方は節酒します。さらに水分を多く摂取し、体内にある尿酸を尿と一緒に排出するようにしていきます。運動療法では、ジョギングやスイミング、サイクリングなどの有酸素運動を行います。ただし、適切な運動メニューは患者様によって異なりますので、必ず担当医の指示に従って運動を行うようにしてください。薬物療法では、患者様の状態を確認し、尿酸値を下げる治療薬を処方いたします。なお、痛風発作が起こっているときは、尿酸値を下げるお薬ではなく、炎症を抑えるお薬を使用します。