• 2025年6月16日

ハイドロリリース注射が効果的な部位8選|五十肩・肩こり・腰痛・足のだるさの治療法

近年、注目を集めているハイドロリリース注射という治療法をご存知でしょうか。
従来の治療では改善が難しかった慢性的な痛みやだるさに対して、新しいアプローチとして期待されています。

ハイドロリリース注射とは、生理食塩水を使って、筋肉や筋膜の癒着(くっつき)をはがす治療法です。超音波で体の内部を見ながら、正確な場所に生理食塩水を注入することで、痛みの原因となっている組織の動きを改善します。

この治療法は、特定の部位に対して高い効果を発揮することが知られています。
今回は、ハイドロリリース注射が特に効果的な8つの部位について詳しくご説明いたします。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

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目次

  1. 【上半身と頭部の症状に効果的】五十肩・巻き肩・肩こりへのハイドロリリース治療
  2. 【腕の症状改善】腕のだるさと肩こりからくる頭痛への対処法
  3. 【下半身の痛み解消】腰痛・ふくらはぎ・足のだるさに対するハイドロリリース効果
  4. 【治療の安全性と注意点】

【上半身と頭部の症状に効果的】五十肩・巻き肩・肩こりへのハイドロリリース治療

≪五十肩(肩関節周囲炎)への効果≫

五十肩は、肩関節の周りの組織が炎症を起こして固くなる病気です。特に夜間の痛みや、腕を上げにくいといった症状が特徴的です。

ハイドロリリース注射では、肩甲下筋(けんこうかきん)や上腕二頭筋腱周囲に生理食塩水を注入します。これにより、癒着した組織がはがれて、肩の動きが改善されます。

≪巻き肩の改善効果≫

巻き肩は、肩が前方に丸まってしまう姿勢の問題です。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が原因となることが多いです。

この症状には、大胸筋や小胸筋といった胸の筋肉が過度に緊張していることが関係しています。ハイドロリリース注射により、これらの筋肉の癒着を解除することで、正常な姿勢を取り戻しやすくなります。

治療後は、肩が後ろに引きやすくなり、呼吸も楽になったと感じる方が多くいらっしゃいます。

≪慢性的な肩こりの根本治療≫

肩こりは多くの日本人が悩む症状ですが、マッサージや湿布では一時的な改善にとどまることがほとんどです。

ハイドロリリース注射では、僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋といった、肩こりの原因となる筋肉の深い部分にアプローチします。筋肉と筋膜の間に薬液を注入することで、血流が改善し、根本的な症状の改善が期待できます。

≪肩こりが原因の頭痛への効果≫

肩こりが原因となる頭痛は、緊張型頭痛と呼ばれます。首や肩の筋肉の緊張が頭部まで影響を与えることで起こります。

後頭下筋群(こうとうかきんぐん)という、頭の付け根にある小さな筋肉が重要な役割を果たしています。これらの筋肉が緊張すると、頭痛や首の痛みが生じます。

ハイドロリリース注射により、これらの筋肉の緊張を緩めることで、頭痛の頻度や強さが大幅に減少することが期待できます。鎮痛薬に頼らない根本的な治療として、多くの方に喜ばれています。

【腕の症状改善】腕のだるさと肩こりからくる頭痛への対処法

≪腕のだるさの治療≫

腕のだるさは、首や肩の筋肉の緊張が原因となることが多い症状です。特にデスクワークをする方に頻繁に見られる問題です。

ハイドロリリース注射では、斜角筋(しゃかくきん)や小胸筋周囲に生理食塩水を注入します。これにより、神経や血管の圧迫が解除され、腕のだるさやしびれが改善します。

多くの患者さんで、治療後すぐに腕が軽くなったと実感していただけるのが特徴です。

【下半身の痛み解消】腰痛・ふくらはぎ・足のだるさに対するハイドロリリース効果

≪腰痛への画期的な治療≫

腰痛は日本人の多くが経験する症状で、原因も様々です。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった構造的な問題がない場合でも、筋肉や筋膜の問題で痛みが生じることがあります。

腰方形筋(ようほうけいきん)や多裂筋(たれつきん)といった深い筋肉の癒着が、慢性腰痛の原因となることがあります。これらの筋肉は表面からは触れにくく、従来の治療では十分にアプローチできませんでした。

ハイドロリリース注射では、超音波ガイド下で正確にこれらの筋肉にアプローチできます。筋肉間の癒着を解除することで、腰の動きが改善し、痛みが軽減します。

≪ふくらはぎの痛みと足のだるさの改善≫

ふくらはぎの痛みや足のだるさは、立ち仕事の方や長時間の歩行後によく見られる症状です。筋肉の疲労だけでなく、筋膜の癒着が関係していることがあります。

下腿三頭筋(かたいさんとうきん)という、ふくらはぎの主要な筋肉の周囲に薬液を注入することで、血流が改善し、痛みやだるさが軽減します。また筋肉が原因で、こむら返りを繰り返している場合も改善が期待できます。

また、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)という、足裏の痛みにも効果があります。朝起きたときの足裏の痛みが特徴的な症状ですが、ハイドロリリース注射により改善が期待できます。

慢性的な下肢の症状でお悩みの方にとって、新しい治療選択肢となっています。

【治療の安全性と注意点】

ハイドロリリース注射は、比較的安全な治療法ですが、専門的な知識と技術が必要です。超音波ガイド下で行うため、重要な血管や神経を避けて治療できます。

副作用としては、注射部位の軽微な痛みや腫れが生じることがありますが、通常は数日で改善します。アレルギー反応や感染のリスクは極めて低いとされています。

治療を受ける際は、この治療法に習熟した医師による診察を受けることが重要です。


まとめ

ハイドロリリース注射は、五十肩、巻き肩、腕のだるさ、足のだるさ、肩こりからくる頭痛、肩こり、腰痛、ふくらはぎの痛みなど、様々な部位の症状に対して効果的な治療法です。

従来の治療では改善が困難だった慢性的な痛みやだるさに対して、新しいアプローチを提供します。筋肉や筋膜の癒着を物理的に解除することで、根本的な症状の改善が期待できます。

ただし、すべての方に同じような効果があるわけではなく、症状や原因によって治療効果は異なります。まずは専門医による詳しい診察を受けて、適切な治療計画を立てることが大切です。

痛みやだるさでお悩みの方は、一度ハイドロリリース注射について専門医にご相談されることをお勧めいたします。新しい治療法により、これまで改善しなかった症状が良くなる可能性があります。


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