- 2024年12月6日
- 2025年1月8日
五十肩の症状と治療法|ハイドロリリース・リハビリの効果

五十肩(肩関節周囲炎)は40~60代の方に多く見られる肩の痛みを伴う疾患です。適切な治療と対策で症状を改善できる病気について、詳しく解説します。
✓五十肩って、なぜ起こるの??
✓どうやって診断されるの?
✓治療方法は?
このような疑問や不安を解決できます。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【五十肩の原因と症状:なぜ起こる?どんな症状が出る?】

五十肩は、肩関節を囲む関節包という袋状の組織が炎症を起こし、硬くなることで発症します。
主な症状:
・肩の動きが制限される
・夜間の痛みが強い
・腕が上がりにくい
・後ろに手が回しにくい
・外側に腕が上がらない
発症の原因:
・加齢による関節包の変性
・運動不足
・過度の使用や負担
・持病(糖尿病など)の影響 ・外傷後の影響
【五十肩の診断:検査で分かること】

主に以下の検査を行います。
- 問診と視診
・いつから症状が出たか ・どんな動作で痛いか ・日常生活への影響 - レントゲン検査、エコー検査
似たような症状を起こす疾患として、「腱板断裂」や「上腕二頭筋長頭腱炎」、「石灰沈着性腱板炎」などがありますので、各種検査で判断していきます。
【五十肩の治療:段階的なアプローチ】
- 薬物療法

・消炎鎮痛剤(内服薬)
・湿布薬
なお鎮痛剤の内服は長期間にわたるため、「ロキソニン」よりも胃への負担が少ない「セレコキシブ」がおすすめです。
- ストレッチと運動療法

基本的なストレッチ:
・振り子運動 ・壁這い運動 ・タオル体操
注意点:
・痛みの強い時期は控えめに ・無理な動きは避ける ・徐々に可動域を広げる
- ハイドロリリース治療

特徴と効果:
・生理食塩水や少量の麻酔薬を含んだ生理食塩水をエコーガイド下に関節包内及び周囲の筋肉(棘上筋)周囲に注入して、硬くなった組織を広げる治療です。
・痛みが少なく、日帰り治療が可能
・効果が実感しやすい
・保険適用あり
・早期からの治療で回復期間の短縮が期待できる
治療の流れ:
・局所麻酔で痛みを抑える
・超音波ガイド下で生理食塩水を注入 ・注入後、可動域訓練を実施
・必要に応じて複数回実施
予防と生活の工夫:
- 日常生活での注意点 ・急激な運動を避ける ・適度なストレッチを心がける ・良い姿勢を保つ
・睡眠時の姿勢に気をつける - 運動習慣 ・ウォーキング ・水中運動 ・ストレッチ
- 生活環境の整備 ・デスクワークの姿勢改善 ・適切な枕の選択 ・寒さ対策
結論
五十肩は、適切な治療と継続的なケアで改善が期待できる疾患です。特に、ハイドロリリース治療は従来の治療法と比べて、早期回復が期待できる新しい選択肢として注目されています。ただし、過度な運動は避け、医師の指導のもと、症状に応じた適切な治療を続けることが重要です。