- 2025年6月4日
下肢静脈瘤治療にかかる実際の費用は?専門医が教える治療法別料金と補助制度

足の血管がボコボコと浮き出る下肢静脈瘤。 見た目の問題だけでなく、だるさや痛み、むくみなど 日常生活に支障をきたす症状に悩まされている方も多いでしょう。
治療を検討する際に最も気になるのが「費用」の問題です。
「手術は高そう」「保険は使えるの?」といった 不安を抱えている方がほとんどではないでしょうか。
今回は、下肢静脈瘤の治療専門医として、 治療にかかる実際の費用から保険適用の条件まで、 わかりやすく詳しく解説いたします。
※保険診療の場合、費用は決まっていますので、医療機関によって極端に変わることはありません。
しかし、入院が必要かどうか、術前検査をどこまで必要とするか、手術中に使用する薬や器具の違いなどにより、若干変動することがあります。そのため、必ず治療を受ける医療機関でもご確認ください。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【下肢静脈瘤治療法別の費用と保険適用】

①保険適用の血管内治療
- 血管内焼灼術(レーザーや高周波治療)
- 血管内塞栓術(グルー治療)
現在、下肢静脈瘤の主流治療となっているのが、 血管内治療と呼ばれるレーザーや高周波、グルーを使った方法です。 (下記表は、当院の場合)

この費用は、手術当日にお支払いいただく金額です。
当院では日帰り手術ですので、入院費用はかかりません。
②硬化療法の費用
軽症の下肢静脈瘤に対しては、硬化療法が行われます。 これは血管に薬剤を注入して閉塞させる治療法で、 保険適用となっています。
費用の目安は、上記表をご参照ください。
【保険適用の条件と検査費用について】

①保険適用となる症状と条件
下肢静脈瘤の治療で保険が適用されるためには、 医学的に治療が必要と判断される症状があることが条件です。
保険適用となる主な症状:
- 足のだるさ、重だるさが持続する
- 静脈瘤がある
- 痛みやかゆみがある
- むくみが頻繁に起こる
- 皮膚の色素沈着や湿疹がある
- 潰瘍ができている
- 血栓性静脈炎を起こしているなど
診察時に医師がこれらの症状を確認し、 治療の必要性があると判断した場合に 保険適用での治療が可能になります。
多くの患者様が悩まれている症状は、 ほとんどの場合で保険適用の対象となりますので、 まずは専門医による診察を受けることが大切です。
②検査費用について
治療前には必ず超音波検査などの精密検査が必要です。 これらの検査費用も治療方針によって変わります。

※この費用は、初めて受診された場合か通院中の方か、検査内容(採血が必要かどうかなど)によって、変動いたします。
【利用できる補助制度と費用軽減方法】

- 高額療養費制度の活用
- 医療費控除の対象
- 生命保険の手術給付金
※生命保険の手術給付金については、保険の種類によって、受け取れる場合と受け取れない場合がありますので、必ず事前に保険会社に確認することをおすすめします。
「下肢静脈瘤で日帰り手術をする」とお伝えいただければ、お答えいただけると思います。
【まとめ】
下肢静脈瘤の治療費用は、治療法や保険適用の有無により 大きく異なります。
症状があり医学的に治療が必要と判断されれば、 多くの場合で保険適用となります。
高額療養費制度や医療費控除、生命保険の活用により、 実際の負担をさらに軽減することも可能です。
治療を迷っている方は、まず専門医による診察を受け、 症状の程度と治療の必要性を確認することが大切です。 費用面での不安があれば、遠慮なく医師やスタッフに、相談してください。
下肢静脈瘤は進行性の病気です。 症状が軽いうちに適切な治療を受けることで、 治療費用を抑えながら、快適な日常生活を 取り戻すことができます。
一人で悩まず、まずは専門医に相談して、 あなたに最適な治療プランを見つけましょう。