- 2025年8月17日
下肢静脈瘤治療は日帰りで十分!入院の必要がない理由を専門医が解説

足の血管がボコボコと浮き出て見える下肢静脈瘤。 見た目が気になるだけでなく、痛みやだるさに悩まれている方も多いのではないでしょうか。
「手術が必要と言われたけれど、入院は避けたい」 「仕事を長期間休むのは難しい」 そんな心配をお持ちの方に朗報です。
現在の下肢静脈瘤治療は大きく進歩し、日帰り手術が可能になりました。 入院の必要はなく、その日のうちにご帰宅いただけます。
この記事では、下肢静脈瘤治療の専門医として、なぜ日帰り手術で十分なのか、 その理由と安全性について詳しくお話しします。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【最新技術で実現!下肢静脈瘤の日帰り手術とは】


下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が正常に働かなくなり、 血液が逆流して血管が膨らんでしまう病気です。
従来の治療では、全身麻酔による手術が主流で、 数日間の入院が必要とされていました。
しかし、医療技術の進歩により、現在では以下のような 低侵襲治療(体への負担が少ない治療)が可能になっています。
レーザー治療(EVLA) 細いファイバーを血管内に挿入し、レーザーで血管を閉塞させる方法です。 局所麻酔で行うため、意識はしっかりとした状態で治療を受けられます。
高周波治療(RFA) レーザーの代わりに高周波を使用して血管を閉じる治療法です。 痛みが少なく、治療時間も短縮されています。
血管内塞栓術(グルー治療) 医療用の特殊な接着剤(シアノアクリレート)を使って静脈を塞ぐ治療法です。
これらの治療法は、いずれも局所麻酔で行うことができ、 治療時間は30分から1時間程度です。
全身への負担が少ないため、その日のうちに歩いて帰宅することができます。 多くの患者さんが、治療後すぐに日常生活に戻られています。
【安心して選べる理由!日帰り手術の安全性とメリット】

「日帰り手術で本当に大丈夫なの?」 そんな不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、現在の下肢静脈瘤治療における日帰り手術は、 十分な安全性が確立されています。
安全性の根拠 治療部位も限定的で、重要な臓器への影響はほとんどありません。また、治療中は医師が常に患者さんの状態を確認しており、 万が一の場合にも迅速に対応できる体制が整っています。
日帰り手術のメリット
- 経済的負担の軽減 入院費用がかからないため、治療費を大幅に抑えることができます。 個室代や食事代などの付帯費用も不要です。
- 時間的負担の軽減 仕事や家事への影響を最小限に抑えられます。 多くの方が翌日から仕事にも行くことができます。
- 精神的負担の軽減 慣れ親しんだご自宅で回復できるため、ストレスが少なくなります。 病院での長期間の生活に対する不安もありません。
- 感染リスクの低減 入院期間が短いほど、病院内感染のリスクも下がります。
治療後の経過 治療直後から歩行が可能で、多くの方が1〜2時間の安静後に帰宅されます。 翌日からは仕事にも復帰していただけます。
なお激しい運動は1週間程度控えていただきますが、 日常生活に大きな制限はありません。
【専門医が答える!日帰り手術でも十分な理由と注意点】

「入院しないで本当に治るの?」 「合併症が心配」 患者さんからよくいただく質問にお答えします。
◎なぜ日帰り手術で十分なのか
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありません。 また、現在の治療法は非常に低侵襲であり、 大きな手術創もできません。
レーザーや高周波による治療では、針穴程度の小さな傷しかできず、 縫合の必要もありません。
出血量も極めて少なく、輸血が必要になることもありません。 これらの理由から、入院による経過観察は不要と判断されています。
適応となる患者さん ほとんどの下肢静脈瘤患者さんが日帰り手術の対象となります。
ただし、以下のような場合は慎重な検討が必要です:
- 重篤な心疾患や呼吸器疾患をお持ちの方
- 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の方
- 非常に広範囲の静脈瘤がある方
これらの場合でも、多くは外来治療が可能ですが、 個別に検討させていただきます。
◎注意点とアフターケア
日帰り手術後も、適切なアフターケアは重要です。
定期的な外来受診により、治療効果を確認し、 必要に応じて追加治療を行います。
痛みや腫れなどの症状が続く場合は、 迅速に対応いたしますので、遠慮なくご連絡ください。
治療成績について 日帰り手術と入院手術で 治療効果に差はありません。
患者満足度においては、日帰り手術の方が高い傾向にあります。 これは、患者さんの生活への影響が少ないことが 大きく影響していると考えられます。
【まとめ】
下肢静脈瘤の治療は、医療技術の進歩により 日帰り手術で十分な効果が得られるようになりました。
入院の必要がないことで、経済的・時間的・精神的な 負担を大幅に軽減できます。
安全性も十分に確立されており、多くの患者さんが 安心して治療を受けられています。
足の血管の浮き出しや痛み、だるさでお悩みの方は、 ぜひ一度専門医にご相談ください。
現在の治療法であれば、これまでの心配は不要です。 快適な日常生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
治療方法や費用についてご不明な点がございましたら、 お気軽にお問い合わせください。
皆様の健康な毎日のために、最適な治療プランを ご提案させていただきます。