• 2025年8月13日
  • 2025年8月14日

慢性的な胃痛の原因、胃カメラでわかることとは?

「胃が痛い日が続いている」「薬を飲んでも胃痛が治らない」そんな悩みを抱えていませんか?

慢性的な胃痛は、日常生活に大きな影響を与える辛い症状です。市販薬で一時的に改善しても、根本的な原因を解決しなければ、症状は繰り返してしまいます。

消化器内科の専門医として、多くの患者さんから「胃痛の原因がわからない」「どんな検査を受ければいいのか」という相談を受けます。

胃カメラ検査は、慢性的な胃痛の原因を特定するための最も有効な検査方法です。この記事では、胃痛の原因となる病気と、胃カメラ検査で何がわかるのかを詳しく解説します。

適切な診断により、あなたの胃痛の原因を突き止め、効果的な治療につなげましょう。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

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目次

  1. 【慢性胃痛の主な原因】胃カメラで見つかる病気とは
  2. 【胃カメラ検査で得られる情報】症状の原因を徹底解明
  3. 【検査を受けるタイミングと準備】適切な診断のために

【慢性胃痛の主な原因】胃カメラで見つかる病気とは

慢性的な胃痛には、さまざまな原因があります。胃カメラ検査により、これらの病気を正確に診断することができます。

  • 胃炎は最も一般的な原因の一つです。胃の粘膜に炎症が起こる病気で、急性胃炎と慢性胃炎に分けられます。慢性胃炎は症状が長期間続き、放置すると胃がんのリスクが高まることもあります。
  • 胃潰瘍は、胃の粘膜が深くえぐられた状態です。みぞおちの痛みが特徴的で、食事との関連で痛みが変化することがあります。出血や穿孔(胃に穴が開く)などの合併症を起こすリスクもあります。
  • 十二指腸潰瘍は、胃に続く十二指腸という部分にできる潰瘍です。空腹時や夜間に痛みが強くなることが多く、食事をすると一時的に改善する特徴があります。
  • 逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで起こる病気です。胸やけや胃痛だけでなく、のどの違和感や咳なども症状として現れることがあります。
  • 機能性ディスペプシアは、検査をしても明らかな異常が見つからないのに、胃痛や胃もたれなどの症状が続く病気です。ストレスや生活習慣が関与していると考えられています。
  • 胃がんは、慢性的な胃痛の原因として最も注意すべき病気です。初期段階では症状が軽微なことが多く、胃カメラ検査による早期発見が重要になります。

これらの病気は、胃カメラ検査により正確に診断することができます。症状だけでは判断が困難な場合も多いため、専門的な検査が必要です。

【胃カメラ検査で得られる情報】症状の原因を徹底解明

胃カメラ検査では、胃の内部を直接観察することで、さまざまな情報を得ることができます。これにより、慢性的な胃痛の原因を正確に特定できます。

  • 粘膜の状態を詳しく観察できます。炎症の程度、色調の変化、表面の凹凸など、肉眼では見えない細かな変化も確認できます。これにより、胃炎の種類や程度を正確に判断できます。
  • 潰瘍の有無と状態を確認できます。潰瘍の大きさ、深さ、形状、周辺の炎症の程度を詳しく観察し、治療方針を決定します。また、出血の有無や治癒の状態も確認できます。
  • ヘリコバクター・ピロリ菌の感染を調べることができます。ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となる細菌です。胃カメラ検査時に組織を採取し、感染の有無を確認します。
  • 組織検査(生検)により、より詳しい診断が可能になります。怪しい部分があれば組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べることで、がんの有無や炎症の程度を正確に判断できます。
  • 胃の動きや形も観察できます。胃の収縮や蠕動運動の状態を確認し、機能的な異常がないかを調べます。これは機能性ディスペプシアの診断に重要な情報となります。
  • 食道や十二指腸の状態も同時に確認できます。逆流性食道炎や十二指腸潰瘍など、胃以外の病気も見つけることができます。
  • 治療効果の判定にも有効です。薬物治療後の改善状況を確認し、治療方針の調整を行うことができます。

これらの詳細な情報により、慢性的な胃痛の原因を正確に特定し、最適な治療方法を選択することができます。

【検査を受けるタイミングと準備】適切な診断のために

慢性的な胃痛がある場合、適切なタイミングで胃カメラ検査を受けることが重要です。早期診断により、効果的な治療を開始できます。

  • 検査を受けるべきタイミングとして、胃痛が2週間以上続いている場合は検査を検討してください。市販薬を使用しても改善しない場合や、症状が悪化している場合は、より早い受診が必要です。
  • 警告症状がある場合は、緊急性が高くなります。体重減少、食欲不振、嘔吐、黒色便(タール便)、貧血などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
  • 年齢も考慮すべき要素です。40歳以上の方で新たに胃痛が出現した場合は、胃がんのリスクを考慮して早めの検査が推奨されます。
  • 家族歴がある方は、より注意深い観察が必要です。家族に胃がんや胃潰瘍の方がいる場合は、定期的な検査を受けることをお勧めします。
  • 検査前の準備として、前日の夕食は午後9時までに済ませてください。検査当日、朝食は抜いていただきますが、水やお茶などの水分は制限はありません。ただし、検査内容や施設によって変わりますので、詳しくはお問い合わせください。
  • 服薬中の薬については、事前に医師に相談してください。抗凝固薬や抗血小板薬など、一部の薬は検査前に中止が必要な場合があります。
  • 検査当日の注意点として、リラックスして検査に臨むことが大切です。緊張すると検査が困難になることがあります。不安な点があれば、遠慮なく医師に相談してください。
  • 検査後の注意として、鎮静剤を使用した場合は、当日の車の運転は控えてください。検査結果については、その場で説明を受けることができますが、病理検査やピロリ検査を行った場合は、後日の説明となります。

適切な時期に検査を受けることで、慢性的な胃痛の原因を正確に診断し、効果的な治療を開始できます。症状が続いている場合は、我慢せずに専門医にご相談ください。


まとめ

慢性的な胃痛には、胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、胃がんなど、さまざまな原因があります。これらの病気は、胃カメラ検査により正確に診断することができます。

胃カメラ検査では、粘膜の状態、潰瘍の有無、ピロリ菌感染、組織の詳細な変化など、多くの情報を得ることができます。これにより、症状の原因を正確に特定し、最適な治療方法を選択できます。

胃痛が2週間以上続いている場合や、体重減少、食欲不振などの警告症状がある場合は、早めに胃カメラ検査を受けることが重要です。

40歳以上の方や、家族に胃の病気の方がいる場合は、より注意深い観察が必要です。定期的な検査により、病気の早期発見と適切な治療が可能になります。

慢性的な胃痛は、適切な診断と治療により改善することができます。症状を我慢せず、消化器内科の専門医に相談し、胃カメラ検査を受けることをお勧めします。

早期診断により、あなたの胃痛の原因を解明し、快適な日常生活を取り戻しましょう。

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