- 2024年11月29日
胃カメラでも異常なし…機能性ディスペプシアの原因と治し方
胃の調子が悪いのに、胃カメラで異常が見つからない…そんな経験はありませんか?
実は、これが「機能性ディスペプシア」かもしれません。
機能性ディスペプシアは、器質的な異常がないにも関わらず、おなかの痛みや불快感が続く状態を指します。日本人の約10人に1人が経験するといわれる身近な病気で、多くの人が一度は経験する一般的な症状です。この記事では、胃カメラ検査で異常はなかったけど、胃の調子が良くない、精神的なものと言われたなどという方は、この機能性ディスペプシアかもしれません。この記事では、原因や症状、日常生活でできる対策についてわかりやすく解説します。
✓機能性ディスペプシアって、そもそも何??
✓どうやって診断されるの?
✓治療方法は?
このような疑問や不安を解決できます。
この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【機能性ディスペプシアってどんな病気?】
機能性ディスペプシアの主な症状は、食後のもたれ感や早期満腹感、みぞおちの痛みなどです。
これらの症状が3ヶ月以上続き、胃カメラなどの検査で異常が見つからない場合に診断されます。
原因として考えられているのは、以下のような要因です:
- 胃の動きの低下
- 胃の知覚過敏
- ストレスや不安による自律神経の乱れ
- 食生活の乱れ
特に現代社会では、仕事や人間関係のストレス、不規則な生活リズムが大きく影響していると考えられています。
【診断方法と検査について】
診断は主に以下の手順で行われます。
まず、詳しい問診で症状の種類や持続期間を確認します。その後、胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)を行い、胃潰瘍や胃がんなどの器質的な病気がないことを確認します。
必要に応じて、CTスキャンや超音波検査なども行うことがあります。これらの検査で異常が見つからず、特徴的な症状が3ヶ月以上続く場合に、機能性ディスペプシアと診断されます。
【治療方法と日常生活での対策】
治療は、症状や原因に応じて以下のような方法を組み合わせて行います:
- 薬物療法
- 胃酸の分泌を抑える薬
- 胃の働きを改善する薬(西洋の薬だけでなく、漢方も使用します)
- 不安やストレスを和らげる薬
- 生活習慣の改善
- 規則正しい食事
- よく噛んでゆっくり食べる
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- ストレス管理
- リラックス法の実践
- 必要に応じてカウンセリング
特に生活習慣の改善は重要で、以下の点に注意してください。
食事は1日3回、決まった時間に取りましょう。夜遅い食事は避け、就寝前2時間は食べないようにします。また、急いで食べると胃への負担が大きくなるため、20分以上かけてよく噛んで食べることを心がけましょう。
ストレス解消法として、軽い運動やヨガ、深呼吸なども効果的です。ただし、激しい運動は逆効果になる可能性があるので注意が必要です。
結論
機能性ディスペプシアは決して珍しい病気ではありません。つらい症状に悩まされている方は、ぜひ専門医に相談することをお勧めします。早期の適切な治療で、生活の質を大きく改善できる可能性があります。
大切なのは、決して一人で抱え込まないことです。症状が続く場合は、ためらわずに消化器内科の専門医に相談してください。適切な治療と生活改善で、多くの方が症状の改善を実感されています。