- 2024年11月26日
過敏性腸炎とは?知っておきたい原因と対処法
過敏性腸炎(かびんせいちょうえん)は、ストレスや生活習慣の乱れによって腸が過剰に反応し、腹痛や便通の異常を引き起こす症状です。医学的には「過敏性腸症候群(IBS)」とも呼ばれ、多くの人が一度は経験する一般的な症状です。この記事では、過敏性腸炎の原因や症状、日常生活でできる対策についてわかりやすく解説します。
✓過敏性腸炎って、なんでなるの??
✓症状ってどんなものがあるの?
✓治療方法は?
このような疑問や不安を解決できます。
この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【過敏性腸炎の原因とは?ストレスや食生活の影響】
過敏性腸炎の原因は完全には解明されていませんが、ストレスや食生活が大きな要因として考えられています。
1. ストレスの影響
ストレスを感じると、自律神経が乱れやすくなり、腸の働きをコントロールしている神経が過敏に反応することがあります。特に、ストレスが続くと腸の動きが過剰に活発になったり、逆に鈍くなったりして、便秘や下痢を引き起こします。
2. 食生活の乱れ
脂肪分が多い食事や刺激の強い食品(辛いもの、カフェインなど)は、腸に負担をかけることがあります。また、暴飲暴食や食事の時間が不規則だと、腸の調子が整いにくく、過敏性腸炎の症状が出やすくなります。
3. 腸内環境の影響
腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、腸内環境が悪化し、消化や吸収の過程で腸が刺激を受けやすくなります。腸内環境が乱れると便通も不安定になり、症状が現れることが多くなります。
【過敏性腸炎の主な症状とその特徴】
過敏性腸炎の症状は、腹痛や便通の異常が中心です。個人差はありますが、次のような特徴的な症状が現れることが多いです。
1. 腹痛とお腹の不快感
腹痛は、過敏性腸炎の代表的な症状で、お腹が痛くなったり、張りを感じたりすることがあります。排便をすると痛みが和らぐケースが多いですが、「しぶり腹」と表現されるような、トイレに行ってもすっきりしないような症状を感じる方も多いです。
2. 便通の異常(下痢・便秘)
便通の異常として、下痢が続いたり、便秘が続いたり、あるいはこれらが交互に現れることがあります。ストレスを感じたり、食べたものによって症状が急に悪化することも少なくありません。
3. ガスが溜まりやすい
過敏性腸炎の方は、腸内にガスが溜まりやすく、お腹が張って苦しくなることがあります。これは、腸内でガスが発生しやすくなるためで、不快感が強くなることがあります。
【過敏性腸炎の対処法:生活習慣を見直して腸を整える】
過敏性腸炎の症状を和らげるためには、生活習慣の改善が大切です。以下に、日常でできる対策をご紹介します。
1. バランスの良い食事を心がける
腸にやさしい食事をとることで、過敏性腸炎の症状が緩和されることがあります。食物繊維が豊富な野菜や果物、乳酸菌が含まれるヨーグルトなどを積極的に摂りましょう。ただし、食物繊維の中でも不溶性(ゴボウや豆類)は腸に負担をかけやすいため、量に気をつけて摂取します。
2. ストレス管理
ストレスを感じると腸が過敏になりやすいため、リラックスする時間を作ることが大切です。趣味やウォーキング、深呼吸などを取り入れ、ストレスを溜め込まない工夫をしましょう。必要に応じて、カウンセリングやリラクゼーション法を活用するのも効果的です。
3. 適度な運動
適度な運動は、腸の動きを整えるだけでなく、気分転換やストレス解消にもつながります。ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を選ぶとよいでしょう。毎日少しずつでも続けることで、腸の調子が整いやすくなります。
4. 腸内環境を整える
腸内環境を整えるために、プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌など)を摂取するのもおすすめです。また、プレバイオティクス(オリゴ糖や食物繊維)も一緒に摂ると、腸内の善玉菌が増えやすくなり、腸の調子が整いやすくなります。
【過敏性腸炎が続く場合は専門医に相談を】
過敏性腸炎の症状は生活習慣の改善で和らぐことが多いですが、長期間改善しない場合や症状がひどい場合は、専門医に相談しましょう。特に、腹痛が激しい、体重が減少している、血便が見られる場合は、別の疾患の可能性もあるため、早めに受診することが大切です。
生活習慣の改善も必要ですが、併せて薬物療法も行うことで、症状の緩和を行うことができますので、お早めにご相談ください。
1日でも早く症状を緩和して、日々の生活を穏やかに過ごすためのお手伝いをさせてください。
結論
過敏性腸炎は多くの方が経験する症状です。しかし、腹部症状は日々の生活の中で非常に困りますので、お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。