• 2025年7月30日

マウスピース?CPAP?治療法の違いと選び方を解説します

睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方にとって、治療法の選択は重要な決断です。
現在、主流となっている治療法は「マウスピース治療」と「CPAP(シーパップ)治療」の2つです。

どちらも効果的な治療法ですが、それぞれに特徴があり、患者さんの症状や生活スタイルによって最適な選択が異なります。 この記事では、両治療法の違いや選び方について詳しく解説いたします。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

プロフィールはこちらから


目次

  1. 【マウスピース治療とCPAP治療の基本的な違い】
  2. 【症状の重さによる治療法の使い分け】
  3. 【日常生活への影響について】

【マウスピース治療とCPAP治療の基本的な違い】

≪マウスピース治療とは≫

マウスピース治療は、正式には「口腔内装置(OA:Oral Appliance)」と呼ばれる治療法です。
歯科医師が患者さんの口の形に合わせて作る特殊なマウスピースを、就寝時に装着します。

このマウスピースは、下顎を前方に移動させることで気道を広げる仕組みです。 軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に対して効果的とされています。

CPAPが保険適応とならない睡眠時無呼吸症候群の方が適応となります。

≪CPAP治療とは≫

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)は、日本語では「持続陽圧呼吸療法」と呼ばれます。 鼻や口にマスクを装着し、機械から一定の圧力で空気を送り込む治療法です。

送り込まれた空気の圧力により、睡眠中に狭くなった気道を広げて保持します。 中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群に対して、最も効果的な治療法として広く普及しています。

【症状の重さによる治療法の使い分け】

≪軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群≫

精密検査でAHI(無呼吸低呼吸指数)が5~19の軽度の場合、マウスピース治療が第一選択となることが多いです。 この段階では、まだ気道の狭窄がそれほど深刻ではないため、マウスピースによる下顎の前方移動で十分な効果が期待できます。

軽度の患者さんは比較的若い方が多く、仕事や日常生活への影響を最小限に抑えたいという希望があります。 マウスピースは携帯しやすく、出張や旅行の際も負担が少ないため、活動的な方に適しています。

ただし、効果には個人差があり、約70%の患者さんで改善が見られるとされています。 定期的な歯科受診により、マウスピースの調整や口腔内の健康チェックを行うことが重要です。

重度の睡眠時無呼吸症候群

簡易検査でAHIが40を超える場合、精密検査でAHIが20を超える場合ような重度の場合、CPAP治療が標準的な治療法となります。 この段階では、マウスピース治療では十分な効果が得られない可能性が高くなります。

重度の患者さんは、心血管系の合併症リスクが高く、早急で確実な治療が必要です。
CPAP治療は即効性があり、使用した夜から症状の改善を実感できることが多いです。

ただし、何らかの理由でCPAP治療が困難な場合は、マウスピース治療を試すこともあります。
完全な改善は期待できなくても、部分的な改善により生活の質の向上が図れる場合があります。

【日常生活への影響について】

≪携帯性と利便性の比較≫

マウスピース治療の最大の利点は、その携帯性の高さです。 小さなケースに入れて持ち運びでき、電源も不要なため、どこでも使用できます。

出張が多いビジネスマンや、旅行好きの方にとって、この利便性は大きなメリットです。 また、停電時でも使用できるため、災害時の備えとしても安心です。

一方、CPAP装置は比較的大きく、電源が必要ですが、持ち運ぶことも可能ではあります。

≪使用に伴う注意点≫

マウスピース治療の注意点は、主に顎関節への影響や歯の移動が挙げられます。
適切な調整により、これらの副作用は最小限に抑えることができます。

CPAP治療では、まず使用に慣れていくのが必要です。徐々に慣れていく方が多いですが、使いにくさなどがあれば、マスクの調整や圧の調整により改善できることが多いです。

どちらの治療法も、定期的な医師の診察により、定期的にチェックが必要です。

≪治療効果の持続性≫

CPAP治療は、使用している間は確実に効果が得られますが、中止すると症状は元に戻ります。
そのため、基本的には継続的な使用が必要な治療法です。

マウスピース治療も同様に継続使用が必要ですが、軽度の場合は生活習慣の改善により、将来的に治療が不要になる可能性があります。 減量や禁煙、睡眠姿勢の改善などの取り組みが重要です。


まとめ

睡眠時無呼吸症候群の治療法選択は、症状の重さによって変わります。
マウスピース治療は軽度から中等度の方に適応されます。

一方、CPAP治療は中等度から重度の方により確実な効果をもたらし、合併症の予防効果も期待できます。 どちらの治療法も、医師や歯科医師による適切な管理のもとで行うことが重要です。

治療法に迷われている方は、まずはお気軽にご相談ください。
最適な治療法を見つけて、質の高い睡眠と健康的な生活を取り戻しましょう。

気になった方やご心配な方、
お気軽にご相談ください。

当院のHP、こちらもご参照ください。

ご予約は、こちらから。

ひとみるクリニック 072-247-9760 ホームページ