• 2025年7月14日

胃カメラ検査とは?痛みや費用、検査の流れを詳しく解説

胃の調子が悪い時や健康診断で異常を指摘された時、医師から「胃カメラ検査を受けてみましょう」と言われることがあります。しかし、初めて胃カメラ検査を受ける方にとって、どのような検査なのか、痛みはあるのか、費用はいくらかかるのかなど、不安や疑問を抱かれることもあると思います。

この記事では、多くの胃カメラ検査を行ってきた経験から、検査の詳細について分かりやすく解説いたします。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

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目次

  1. 【胃カメラ検査の基本|検査の目的と仕組みについて】
  2. 【胃カメラ検査の流れと痛み対策|当日の準備から検査終了まで】
  3. 【胃カメラ検査の費用と頻度|保険適用と定期検査の重要性】

【胃カメラ検査の基本|検査の目的と仕組みについて】

胃カメラ検査は、正式には「上部消化管内視鏡検査」と呼ばれる検査です。細い管状のカメラ(内視鏡)を口または鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を直接観察する検査方法です。

≪胃カメラ検査で分かること≫

この検査では、以下のような病気を発見することができます。
胃がんや食道がんなどの悪性腫瘍、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ポリープなどの良性病変です。

特に重要なのは、胃がんの早期発見です。日本人の胃がん発症率は世界的に見ても高く、早期発見・早期治療が生存率向上の鍵となります。胃カメラ検査は、レントゲン検査では発見が困難な小さな病変も見つけることができるため、非常に有効な検査方法です。

≪内視鏡の種類と特徴≫

現在使用されている内視鏡は、直径約9〜10ミリの細い管で、先端にはライトとカメラが付いています。経口内視鏡(口から挿入)と経鼻内視鏡(鼻から挿入)の2種類があります。

経鼻内視鏡は直径約5〜6ミリとさらに細く、鼻から挿入した場合、舌の付け根を通らないため嘔吐反射(オエっとなる反射)が起こりにくいという特徴があります。

【胃カメラ検査の流れと痛み対策|当日の準備から検査終了まで】

胃カメラ検査を受ける際の流れと、多くの方が心配される痛みなどについて詳しく説明します。

≪検査前の準備≫
(なお、健診の内容や病院によって、必要な準備や所要時間は多少異なります。ご不明な点がある場合は、検査を受けられる医療機関に直接お問い合わせください。)

検査前日の夜9時以降は絶食となります。これは胃の中を空にして、検査時の視野を良好に保つためです。なお水分は、水やお茶など色があまりついていないものであれば、検査直前まで摂取可能です。

(なお堺市胃がん検診の場合は、検査前日の夜8時以降は絶食で、水分摂取も検査予定時刻の2時間前までとなっております)

常用薬がある場合は、事前に医師に相談してください。抗血栓薬(血をサラサラにする薬)などは一時的に中止する必要がある場合があります。

≪検査当日の流れ≫

検査当日は、まず問診票の記入と体調確認を行います。その後、胃の中の泡を取り除く薬を飲んでいただきます。

次に、のどの麻酔を行います。経口内視鏡の場合は、のどにスプレー麻酔やゼリー状の麻酔薬を使用します。経鼻内視鏡の場合は、鼻腔に麻酔薬を注入します。

検査中は、左側を下にして横になっていただきます。医師がゆっくりと内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸を順番に観察していきます。検査時間は通常10〜15分程度です。

≪痛みと不快感への対策≫

多くの方が心配される痛みについてですが、適切な麻酔により、痛みを最小限に抑えることができます。

最も一般的な不快感は嘔吐反射です。これは、異物が喉に触れた時に起こる自然な反応です。リラックスして深呼吸をすることで、この反射を軽減できます。

鎮静剤(眠くなる薬)を使用する場合もあります。これにより、検査中の不快感をほとんど感じることなく検査を受けることができます。ただし、鎮静剤使用後は運転ができませんので、公共交通機関を利用して帰宅していただきます。

【胃カメラ検査の費用と頻度|保険適用と定期検査の重要性】

胃カメラ検査の費用と、どのくらいの頻度で受けるべきかについて説明します。

≪検査費用の詳細≫

胃カメラ検査は基本的に保険適用となり、3割負担の場合の費用は約4,000円程度です。
ただし、組織検査(生検)を行った場合は追加費用が発生し、約5,000円程度が加算されます。

人間ドックなどで自費診療として受ける場合は、医療機関により異なりますが、約15,000〜25,000円程度が相場となっています。

≪検査を受ける頻度≫

健康な方でも、40歳を過ぎたら年1回の胃カメラ検査を受けることを推奨しています。特に、ピロリ菌感染歴がある方、家族に胃がんの既往がある方、胃炎や胃潰瘍の既往がある方は定期的な検査が重要です。

ピロリ菌の除菌治療を受けた方も、除菌後も定期的な検査が必要です。除菌により胃がんリスクは低下しますが、完全にゼロになるわけではないためです。

症状がある場合は、年齢に関係なく検査を受けることをお勧めします。胃痛、胸やけ、食欲不振、体重減少、黒色便などの症状がある場合は、早めに医師に相談してください。

≪検査結果について≫

検査結果は通常、検査後すぐに説明を受けることができます。異常がない場合は「異常なし」または「軽度の胃炎」といった結果になります。

もし異常が発見された場合でも、多くは良性の変化です。胃炎、胃潰瘍、ポリープなどは適切な治療により改善が期待できます。

万が一、悪性が疑われる病変が発見された場合は、組織検査を行い、確定診断を行います。早期発見であれば、内視鏡治療で根治できる場合も多く、過度に不安になる必要はありません。


まとめ

胃カメラ検査は、胃がんをはじめとする消化器疾患の早期発見に欠かせない重要な検査です。技術の進歩により、以前と比べて検査時の不快感は大幅に軽減されています。

適切な準備と心構えがあれば、安心して検査を受けることができます。不安や疑問がある場合は、遠慮なく医師にお尋ねください。

定期的な胃カメラ検査により、病気の早期発見と適切な治療を受けることで、健康で質の高い生活を維持していただけることを願っています。


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