• 2025年6月11日

筋緊張性頭痛の原因と症状|効果的な治療法と予防対策を解説

頭痛でお悩みの方は非常に多く、その中でも特に多いのが筋緊張性頭痛です。
肩こりや首のこりと一緒に起こることが多く、現代人の生活習慣と密接に関わっています。

この記事では、筋緊張性頭痛について詳しく解説いたします。
原因から症状、治療法まで分かりやすくお伝えしますので、頭痛でお困りの方はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

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目次

  1. 【筋緊張性頭痛の原因と発生メカニズム】
  2. 【筋緊張性頭痛の特徴的な症状と見分け方】
  3. 【効果的な治療法と日常生活での予防対策】

【筋緊張性頭痛の原因と発生メカニズム】

筋緊張性頭痛は、頭や首、肩の筋肉が過度に緊張することで起こる頭痛です。
別名「緊張型頭痛」とも呼ばれ、最も一般的な頭痛の種類とされています。

≪主な原因について≫

筋緊張性頭痛の主な原因は、筋肉の持続的な収縮にあります。デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、首や肩の筋肉に負担がかかり続けます。

特に現代では、パソコンやスマートフォンの使用時間が長くなり、前かがみの姿勢を取ることが多くなっています。この姿勢が続くと、首の後ろ側や肩の筋肉が常に緊張した状態になってしまいます。

≪ストレスとの関係≫

精神的なストレスも大きな要因の一つです。ストレスを感じると、無意識のうちに筋肉に力が入り、特に首や肩周りの筋肉が硬くなりやすくなります。

仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、睡眠不足なども筋肉の緊張を高める要因となります。このため、ストレスの多い現代社会では、筋緊張性頭痛に悩む方が増加傾向にあります。

≪生活習慣による影響≫

運動不足や不規則な生活リズムも筋緊張性頭痛を引き起こす要因です。適度な運動を行わないと、筋肉の柔軟性が失われ、血流も悪くなってしまいます。

また、睡眠時の枕の高さが合わない場合や、寝返りが少ない方も、首や肩の筋肉に負担をかけることがあります。

【筋緊張性頭痛の特徴的な症状と見分け方】

筋緊張性頭痛には特徴的な症状があります。
他の頭痛との見分け方を知ることで、適切な対処法を選択することができます。

≪痛みの特徴≫

筋緊張性頭痛の痛みは、「締め付けられるような」「重い感じ」「圧迫されるような」と表現されることが多いです。頭全体が帽子で強く締め付けられているような感覚と言えば分かりやすいでしょう。

痛みの強さは軽度から中程度で、ズキンズキンと脈打つような激しい痛みではありません。また、体を動かしても痛みが強くなることは通常ありません。

≪痛む場所と範囲≫

頭の両側に痛みが出ることが多く、後頭部から首の付け根にかけて痛みを感じる方が多いです。
額の部分や頭のてっぺんまで痛みが広がることもあります。

肩こりや首のこりを同時に感じることが多いのも特徴の一つです。これは、同じ筋肉の緊張が原因となっているためです。

≪頭痛の持続時間≫

筋緊張性頭痛は、数時間から数日間続くことがあります。慢性化すると、月に15日以上頭痛が起こる場合もあります。

朝起きた時から頭痛がある場合や、夕方にかけて徐々に痛みが強くなる場合が多く見られます。
疲労やストレスがたまった時に特に症状が現れやすくなります。

≪他の頭痛との見分け方≫

片頭痛(偏頭痛)は片側に起こることが多く、ズキンズキンと脈打つような激しい痛みが特徴です。光や音に敏感になったり、吐き気を伴うことがあります。
また頭痛時に、お辞儀をして疼痛が悪化すれば片頭痛である可能性が高いです。

群発頭痛は、目の奥に激しい痛みが起こり、涙や鼻水を伴うことが多いです。これらの症状がある場合は、筋緊張性頭痛以外の可能性が高いと考えられます。

【効果的な治療法と日常生活での予防対策】

筋緊張性頭痛の治療には、薬物療法と非薬物療法の両方が重要です。
また、日常生活での予防対策も非常に効果的です。

≪薬物による治療≫

軽度から中程度の筋緊張性頭痛には、市販の鎮痛薬が効果的です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が含まれた薬が一般的に使用されます。

ただし、薬の使いすぎは「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があるため、月に10日以上使用する場合は医師に相談することをおすすめします。

慢性化した場合には、予防薬として抗うつ薬や筋弛緩薬(きんしかんやく:筋肉の緊張をゆるめる薬)が処方されることもあります。

≪非薬物療法の活用≫

マッサージや鍼灸治療、理学療法などは筋肉の緊張をほぐすのに効果的です。特に首や肩周りの筋肉をゆるめることで、頭痛の改善が期待できます。

近年では、ハイドロリリース(筋膜リリース注射)という治療法も注目されています。これは、筋肉を包んでいる筋膜(きんまく:筋肉を覆っている薄い膜)に生理食塩水などを注射することで、癒着した筋膜を剥がし、筋肉の動きを改善する治療法です。従来の治療で改善が見られない場合に検討される選択肢の一つです。

ストレッチや軽い運動も有効です。首や肩を回したり、上下左右にゆっくり動かすことで、筋肉の緊張を和らげることができます。

リラクゼーション法や呼吸法も、ストレスを軽減し筋肉の緊張を和らげるのに役立ちます。深呼吸や瞑想、ヨガなどを取り入れてみましょう。

≪日常生活での予防対策≫

正しい姿勢を保つことが最も重要です。デスクワーク時は、画面と目の距離を適切に保ち、肩の力を抜いて背筋を伸ばしましょう。

定期的な休憩を取ることも大切です。1時間に5~10分程度、席を立って軽くストレッチをしたり、遠くを見たりしましょう。

睡眠環境の改善も効果的です。自分に合った高さの枕を使用し、寝る前にはリラックスできる環境を整えましょう。

適度な運動習慣を身につけることで、筋肉の柔軟性を保ち、血流を改善することができます。ウォーキングや水泳など、無理のない範囲で続けられる運動を選びましょう。

≪ストレス管理の重要性≫

ストレスをうまく管理することで、筋緊張性頭痛の予防につながります。趣味の時間を作ったり、友人や家族と過ごす時間を大切にしたりしましょう。

規則正しい生活リズムを保つことも重要です。毎日同じ時間に起床・就寝し、食事の時間も一定にすることで、体のリズムが整います。


まとめ

筋緊張性頭痛は、現代人に最も多く見られる頭痛の一つです。主な原因は筋肉の持続的な緊張にあり、デスクワークやストレス、不良姿勢などが大きく関わっています。

症状としては、締め付けられるような痛みが頭の両側に現れ、肩こりや首のこりを伴うことが多いのが特徴です。

治療には薬物療法と非薬物療法を組み合わせ、日常生活での予防対策を継続することが重要です。正しい姿勢の維持、定期的な休憩、適度な運動、ストレス管理などを心がけましょう。

頭痛が頻繁に起こる場合や、症状が改善しない場合は、専門の医療機関を受診することをおすすめします。適切な診断と治療により、筋緊張性頭痛は十分に改善可能な疾患です。

一人で悩まず、かかりつけ医と相談しながら、自分に合った治療法と予防対策を見つけていきましょう。


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