- 2025年3月1日
- 2025年3月5日
つらい便秘を解消!原因と効果的な対策を徹底解説

便秘は多くの方が経験する症状ですが、正しい知識と対策で改善が期待できます。
今回は専門医の視点から、便秘の原因や対策について分かりやすく解説します。
✓便秘って、どんな状態なの?
✓便秘の原因は何??
✓治療は薬以外にも、何かあるの?
このような疑問や不安を解決できます。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【そもそも便秘とは、どのような状態?自己チェック法】

便秘とは単に「排便がない状態」ではなく、「排便が困難な状態」を指します。
一般的には3日以上排便がない場合や、排便時に強いいきみが必要な場合、便が硬く出にくい場合などを便秘と考えますが、3日以内でもお腹が張るなどの症状があれば、対策は必要です。
排便の頻度は人によって異なりますが、毎日必ず出なければいけないわけではありません。
2〜3日に1回でも規則的であり、お腹の張りなどもなければ問題ないケースもあります。
ご自身の便秘状態をチェックするポイントは以下の通りです。
・排便の頻度が週に3回未満
・排便時に強いいきみが必要 (時間がかかる)
・便が硬く、コロコロしている
・排便後も残便感がある、スッキリしない
・おなかの張りや不快感がある
・ガスが溜まりやすい
これらの症状が続く場合は便秘を疑いましょう。
特に、今までと排便パターンが変わった場合は注意が必要です。
また便の性状を確認するのに、このブリストルスケールというものがよく使用されます。

また、便秘の種類は大きく分けて「機能性便秘」と「器質性便秘」があります。
機能性便秘は腸の動きが悪くなることで起こる便秘で、生活習慣が原因となることが多いです。
一方、器質性便秘は大腸がんなどの病気が原因で起こる便秘です。血便や細い便などが出てくる場合は、特に注意が必要です。
【便秘の主な原因と生活習慣の関係】

便秘の原因は様々ですが、多くの場合は生活習慣と深く関わっています。
1. 食生活の問題
食物繊維不足は便秘の大きな原因となります。食物繊維は便のかさを増やし、水分を保持する役割があるため、不足すると硬い便になりやすいです。
また、水分摂取不足も便秘を招きます。一日に1.5〜2リットルの水分摂取が望ましいとされています。
加工食品や脂っこい食事の摂りすぎも、腸内環境を悪化させる原因になります。
2. 運動不足
適度な運動は腸の動きを活発にします。デスクワークが多い方や普段から体を動かす機会が少ない方は、腸の働きが鈍くなりがちです。
腹筋が弱いと排便時にいきむ力も弱くなるため、便を押し出す力が不足します。
3. ストレスと生活リズムの乱れ
ストレスは自律神経のバランスを崩し、腸の動きを鈍らせることがあります。
不規則な生活や睡眠不足も腸の動きに悪影響を与えます。特に朝食抜きの習慣は、朝の排便反射(胃結腸反射)を弱めてしまいます。
4. 薬の副作用
鎮痛剤、向精神薬、胃薬の一部には便秘を引き起こす副作用があります。処方薬を服用中に便秘になった場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。
5. 年齢や妊娠の影響
加齢により腸の筋力が低下すると便秘になりやすくなります。また、妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮の圧迫により便秘になることが多いです。
【効果的な便秘対策と治療法】

便秘改善には生活習慣の見直しが基本となります。以下に効果的な対策をご紹介します。
1. 食事療法
食物繊維を積極的に摂りましょう。野菜、果物、海藻類、きのこ類、全粒穀物などが豊富に含まれています。急に摂取量を増やすとガスが溜まりやすくなるので、徐々に増やすことがコツです。
オートミールも食物繊維が豊富ですので、おすすめです。
また発酵食品(ヨーグルト、キムチ、納豆など)も腸内環境を整えるのに役立ちます。
朝食をしっかり摂り、胃結腸反射を活用することも大切です。
2. 水分摂取と運動
こまめに水分を摂りましょう。特に朝起きた時と食事の際には積極的に水を飲むことをおすすめします。
適度な運動は腸の働きを活発にします。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、無理なく続けられる運動が効果的です。
3. トイレ習慣の改善
毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。特に朝食後は腸が活発に動く時間帯です。
トイレを我慢しないことも大切です。便意を感じたらなるべく早くトイレに行きましょう。
ただし、長時間トイレに座り続けるのも良くありません。
また座り方も大切で、前かがみの姿勢は良くありません。可能であれば、足台を用いて和式トイレに座って時のようにやや足が上がった状態がよい姿勢です。

4. お腹のマッサージ
おへそを中心に時計回りにやさしくマッサージすると、腸の動きを促進する効果があります。就寝前や起床時に行うと効果的です。
5. 緩下剤(便秘薬)を使用する。
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合は、便秘薬を使用することも一つの選択肢です。
ただし、一部便秘薬(センナなど)は長期間の使用で腸の動きが悪くなる場合があります。そのため、医師の診察のうえ、適切な薬を処方してもらうようにしましょう。
【便秘予防のためのポイント】

便秘を予防するには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。バランスの良い食事、適度な運動、規則正しい生活リズム、ストレス管理などを心がけましょう。
また、トイレを我慢する習慣は便秘の原因になります。便意を感じたら我慢せずトイレに行くようにしましょう。
まとめ
便秘は辛い症状ですが、多くの場合は生活習慣の改善と適切な治療で改善が期待できます。そのため、長期間改善しない場合や不安がある場合は、ぜひご相談ください。
適切な診断と治療で、快適な毎日を取り戻しましょう。