- 2025年2月22日
- 2025年3月5日
足の爪が変色・肥厚?爪水虫の原因と効果的な治療法

爪の色が変わった、厚くなった、もろくなったと感じることはありませんか?それは「爪白癬(つめはくせん)」かもしれません。一般的に「爪水虫(つめみずむし)」とも呼ばれるこの症状です。
この記事では、爪水虫の基礎知識から治療法まで、わかりやすく解説します。
自分でできるケア方法も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
✓爪が厚くなったけど、原因は何だろう?
✓爪水虫って、どうやって調べて治療するの?
このような疑問や不安を解決できます。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【爪水虫とは?症状と原因を解説】

爪水虫(医学的には爪白癬と呼びます)は、カビの一種である白癬菌(はくせんきん)が爪に感染することで起こる病気です。足の爪、特に親指の爪がかかりやすいですが、手の爪に発症することもあります。
主な症状としては:
- 爪が白っぽく濁る
- 爪が黄色や茶色に変色する
- 爪が厚くなる
- 爪がもろくなり、割れやすくなる
- 爪が変形する
初期段階では爪の端が少し白く濁る程度ですが、進行すると爪全体が厚くなり、ボロボロになることもあります。痛みはほとんどありませんが、見た目が気になったり、歩きにくくなったりすることもあります。
原因となる白癬菌は、公共の浴場やプール、ジム、家庭内の浴室など、湿気の多い場所で感染することが多いです。また、足の皮膚に水虫(足白癬)がある方が爪にも感染するケースが最も一般的です。
感染リスクが高い方は:
- 高齢者の方
- 糖尿病患者の方
- 免疫力が低下している方
- 汗をかきやすい仕事をしている方
- 閉鎖的な靴を長時間履く方
なぜこの病気が厄介かというと、爪は皮膚と違って血流が少なく、薬が届きにくいため、治りにくいという特徴があるからです。そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
【自己診断から病院受診まで|爪水虫の正しい対処法】

「これって爪水虫かな?」と思ったら、まずは自己チェックしてみましょう。
以下の症状があれば、爪水虫の可能性があります。
- 爪が白や黄色に変色している
- 爪が厚くなっている
- 爪の表面がデコボコしている
- 爪がもろくなっている
- 足の裏や指の間に水虫がある
ただし、爪の変形は加齢や靴、歩き方の影響などが原因で起こることがあります。
そのため、診断のためには、爪の一部を削って顕微鏡で観察したり、培養検査を行ったりして、白癬菌の有無を確認します。これにより、爪水虫なのか判断します。
病院を受診する際の注意点:
- 事前に爪を切らないでください(診察のために爪が必要です)
- マニキュアやジェルネイルは落としていきましょう
- 現在使用している薬があれば持参してください
早期の段階であれば治療も比較的容易ですが、進行してしまうと治療期間が長くなります。
「たかが水虫」と侮らず、気になる症状があれば早めにご相談ください。
【治療法】

爪水虫の治療方法は、症状の程度や爪の状態によって異なります。
ここでは、主な治療法とそれぞれの特徴を紹介します。
1. 外用薬による治療
爪水虫の初期段階では、抗真菌薬(こうしんきんやく)の塗り薬を使うことが多いです。
塗り薬を効果的に使うコツ:
- 入浴後など、爪が柔らかくなった状態で使用する
- 爪の表面をやすりで少し削ってから塗ると薬が浸透しやすい
- 医師の指示通りの回数・期間、継続して使用する
ただし、外用薬だけでは爪の深部まで薬が届きにくいため、軽度の症状にとどまる場合や、内服薬との併用が一般的です。
2. 内服薬による治療
中程度から重度の爪水虫では、内服抗真菌薬(飲み薬)が処方されることがあります。
内服薬のメリット:
- 爪の内部からも治療できる
- 外用薬より効果が高い
デメリット:
- 副作用のリスクがある(肝機能障害など)
- 他の薬との飲み合わせに注意が必要
内服薬は通常、数週間から数ヶ月間服用します。治療期間が長いのは、爪が生え替わるのに時間がかかるためです。爪は1ヶ月に約1mm伸びるため、完全に健康な爪になるまでには、手の爪で約6ヶ月、足の爪で約12ヶ月かかることもあります。
【自宅でできるセルフケア】

治療と並行して、自宅でも適切なケアを行うことが大切です。
爪水虫のセルフケア:
- 爪は清潔に保ち、こまめに洗う
- 入浴後はしっかり乾かす(特に爪の間)
- 通気性の良い靴下や靴を選ぶ
- 公共の場所では素足で歩かない
- 家族と入浴する場合は、最後に入るか、バスマットを別にする
また、爪水虫の再発を防ぐためには、治療が終わった後も定期的に爪の状態をチェックし、異変を感じたらすぐに対処することが重要です。
【治療期間と完治の目安】

爪水虫の治療には時間がかかります。症状が改善したように見えても、実は菌が残っていることがありますので、しっかりと治療を続けましょう。
一般的な完治までの期間:
- 軽度の場合:3〜6ヶ月
- 中程度の場合:6〜9ヶ月
- 重度の場合:9〜12ヶ月以上
治療を途中でやめてしまうと再発のリスクが高まりますので、根気強く続けることが大切です。
まとめ
爪水虫(爪白癬)は適切な治療を続ければ、改善する病気です。
ただし、時間がかかりますので、根気よく治療を継続することが重要です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。