- 2024年11月13日
- 2024年11月14日
睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の危険な関係 – 放置すると怖い合併症
「睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠の問題ではありません」
実は、この病気は様々な生活習慣病の原因となり、さらには命に関わる深刻な合併症を引き起こす可能性があります
✓睡眠時無呼吸症候群って、しっかり眠れてないだけじゃないの?
✓睡眠時無呼吸症候群と関係する合併症って何?
✓生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群って関係あるの?
このような疑問や不安を解決できます。
この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』を変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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【睡眠時無呼吸症候群が引き起こす体内の異変】
睡眠時無呼吸症候群では、夜間に繰り返し呼吸が止まることで、体内で次のような異変が起こります:
- 酸素不足の影響
- 血中酸素濃度の低下
- 脳や心臓への酸素供給不足
- 血管の損傷
- ストレスホルモンの分泌増加
- 血圧の上昇
- 血糖値の上昇
- 交感神経系の過剰な活性化
- 体内時計の乱れ
- 深い睡眠の減少
- ホルモンバランスの崩れ
- 代謝機能の低下
これらの異変が毎晩繰り返されることで、様々な病気のリスクが高まっていきます。
【睡眠時無呼吸症候群と関連する生活習慣病】
- 循環器系疾患
- 高血圧
- 睡眠時無呼吸症候群の患者さんの約50%が高血圧を合併
- 特に夜間の血圧上昇が特徴的
- 治療抵抗性の高血圧の原因となることも
- 心臓病
- 不整脈のリスクが2-4倍に増加
- 心不全の発症リスクが上昇
- 夜間の突然死のリスクも
- 脳卒中
- 脳梗塞のリスクが2-3倍に上昇
- 特に夜間から早朝の発症に注意
- 認知機能低下とも関連
- 代謝系疾患
- 糖尿病
- インスリンの働きが低下
- 血糖コントロールが悪化
- 予備軍から糖尿病への進行が加速
- 脂質異常症
- 中性脂肪の上昇
- 悪玉コレステロールの増加
- 動脈硬化の促進
- メタボリックシンドローム
- 内臓脂肪の蓄積を促進
- 複数の生活習慣病が重複しやすい
- 悪循環に陥りやすい
- その他の健康問題
- うつ病
- 睡眠の質の低下による気分への影響
- 意欲の低下
- 集中力・判断力の低下
- 認知症
- 脳の血流障害による認知機能低下
- 記憶力の低下
- アルツハイマー病のリスク上昇
【早期治療で防げる健康被害】
睡眠時無呼吸症候群の治療により、以下のような効果が期待できます:
- 短期的な改善効果
- 血圧の安定化
- 血糖値の改善
- 日中の眠気解消
- 集中力の回復
- 中長期的な予防効果
- 心臓病のリスク低下
- 脳卒中の予防
- 糖尿病の進行抑制
- 認知機能の維持
- 生活の質の改善
- 活力の回復
- 精神状態の安定
- 仕事の効率向上
- 家族との関係改善
結論
睡眠時無呼吸症候群の治療は、単に眠りの質を改善するだけでなく、様々な生活習慣病の予防や改善にもつながります。命に関わる合併症を防ぐためにも、早期発見・早期治療が重要です。