- 2026年10月19日
肥満症の治療とは?痩せない原因・治療薬・肥満外来について医師が解説

「食事を減らしているのに、なかなか痩せない」
「運動を始めても続かない」
そんな体重のお悩みを抱えている方は少なくありません。
肥満には、食生活だけでなく、体質やホルモン、睡眠不足など、さまざまな要因が関係しています。
努力だけでは解決が難しいこともあります。
また、肥満によって高血圧や糖尿病などの病気が生じている場合には、医学的な治療が必要になることがあります。
近年では、食事や運動の改善に加え、ゼップバウンドなどの治療薬も登場し、肥満症の治療選択肢が広がっています。
今回は、肥満症の原因や治療方法、薬物治療の対象となる条件、自費診療での注意点について、わかりやすくご説明します。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。
『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。
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目次
【肥満症とは?食事制限しても痩せない原因と健康への影響】

「食事量を減らしているのに体重が落ちない」という経験はありませんか?
体重の変化には、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスが関係しています。
しかし、体重が減少すると、体がエネルギー消費を抑えたり、食欲を強めたりすることがあります。そのため、減量を続けることが難しくなる場合があります。
睡眠不足も体重増加に関係します。睡眠の質が低下すると、食欲を調節するホルモンの働きが変化し、食べる量が増えやすくなることがあります。
また、甲状腺機能低下症などの病気や、一部の薬が体重増加に関係していることもあります。原因を確認することが大切です。
日本では、BMIが25以上の場合を「肥満」と判定します。BMIとは、身長と体重から計算する、体格を表す指標です。
計算方法は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。例えば、身長160cm、体重80kgの場合、BMIは31.3となります。
ただし、「肥満」と「肥満症」は同じ意味ではありません。
肥満症とは、肥満に関連する健康障害などがあり、医学的に減量が必要な状態をいいます。
肥満に関連する健康障害には、高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、高尿酸血症などがあります。
脂質異常症は血液中の脂質のバランスが乱れた状態、脂肪肝は肝臓に余分な脂肪がたまった状態です。いずれも肥満と深く関係します。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる病気です。強いいびきや日中の眠気などを引き起こすことがあります。
特に、おなかの内側に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」は、血圧や血糖値に悪影響を与え、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます。
そのため、肥満症治療の目的は、単に体重計の数字を減らすことではありません。病気を改善し、将来の健康リスクを減らすことが大切です。
【肥満症の治療方法とは?食事・運動療法とゼップバウンドの効果】

肥満症治療の基本は、食事療法と運動療法です。まずは毎日の生活を振り返り、無理なく継続できる改善方法を考えていきます。
- 食事療法では、単に食べる量を減らすのではなく、栄養バランスも大切です。甘い飲み物や間食を見直すことから始めてもよいでしょう。
- 運動も、最初から激しいものを行う必要はありません。歩く時間を増やす、階段を利用するなど、できることから取り組みます。
体重が数%減るだけでも、血圧や血糖値などが改善する場合があります。急激な減量ではなく、健康状態の改善を目指しましょう。
一方、食事や運動だけでは十分な体重減少が得られない方もいます。
そのような場合には、医師の判断で薬物治療を検討することがあります。
近年注目されているのが、週1回の注射薬「ゼップバウンド」です。肥満症治療薬として日本でも承認されている医療用医薬品です。
ゼップバウンドは、GIPとGLP-1という2種類のホルモンの働きに作用します。ホルモンとは、体のさまざまな機能を調節する物質です。
これらは食欲や満腹感、血糖値の調節に関係しています。ゼップバウンドは食欲を抑え、満腹感を得やすくすることで減量を助けます。
臨床試験でも体重減少効果が確認されています。ただし、誰でも同じように体重が減るわけではなく、効果には個人差があります。
また、治療を中止すると食欲が戻り、体重が再び増えることもあります。薬だけに頼らず、生活習慣の改善を続けることが大切です。
ゼップバウンドは、希望すれば誰でも使える薬ではありません。肥満症の中でも、一定の条件を満たす方が治療対象となります。
具体的には、高血圧症、脂質異常症、耐糖能障害のいずれかがあり、食事・運動療法を行っても十分な効果が得られていないことが前提です。耐糖能障害とは、血糖値を正常に保つ働きに問題がある状態で、2型糖尿病や耐糖能異常などが含まれます。
【肥満外来の自費診療とは?ひとみるクリニックの治療方針と費用】

ひとみるクリニックでは、肥満を単なる体重の問題としてではなく、全身の健康状態とあわせて考えることを大切にしています。
当院では、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの診療も行っており、肥満に関連する病気を総合的に確認します。
診察では、体重やBMIだけでなく、食生活、睡眠、持病、服用中の薬などを確認します。
必要に応じて血液検査なども行います。
当院の肥満症治療は、美容目的ではなく、肥満に伴う健康上の問題を改善することを目的としています。
そのため、見た目を細くしたいという理由だけでの処方は行いません。また、20歳未満の方へのゼップバウンド処方も行っていません。
医学的に薬物治療が必要と判断された方には、ゼップバウンドによる治療を自費診療の選択肢としてご案内しています。
ゼップバウンドは保険診療で使用できる場合もありますが、施設などに条件があります。
そのため、当院では自費診療として提供しています。
保険診療による治療をご希望の場合には、必要に応じて対応可能な専門医療機関へのご紹介も行っています。
当院でのゼップバウンド治療は週1回の自己注射で、少ない量から開始します。副作用や体重の変化を確認しながら調整していきます。
治療中は体重や血圧、副作用などを定期的に確認します。薬だけを処方するのではなく、健康状態をみながら継続の可否を判断します。
効果が十分でない場合や、副作用が強い場合には、治療の中止や専門医療機関への紹介を検討することもあります。
【当院におけるゼップバウンドによる肥満症治療の主な対象条件】
高血圧症・脂質異常症・耐糖能障害のいずれかがあり、食事・運動療法で十分な効果が得られていない方で、さらに次のいずれかに該当する場合です。
- BMI 25以上で肥満関連健康障害が2つ以上ある
- BMI 35以上である
※条件を満たしていても、診察の結果によっては処方できない場合があります。
持病や服用中の薬、副作用の危険性などを確認する必要があります。
主な副作用には、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹痛などがあります。特に治療開始時や薬の量を増やしたときに起こりやすくなります。
まれに急性膵炎や胆のうに関する病気など、重い副作用が生じることもあります。強い腹痛や繰り返す嘔吐がある場合は、速やかな受診が必要です。
妊娠中の方など使用できない場合もあります。安全に治療するためには、医師による適応の確認と定期的な診察が欠かせません。
【費用】
当院では、治療内容や費用についてご説明し、ご納得いただいたうえで治療を開始しています。
ゼップバウンドは週1回の注射薬で、使用する量によって費用が異なります。
以下に当院の自費診療の料金をご案内します。
| 用量 | 2本(2週間分) | 4本(4週間分) |
|---|---|---|
| 2.5mg | 12,000円 | 24,000円 |
| 5mg | 18,000円 | 36,000円 |
| 7.5mg | 23,000円 | 46,000円 |
| 10mg | 27,000円 | 54,000円 |
| 12.5mg | 31,000円 | 62,000円 |
| 15mg | 35,000円 | 70,000円 |
※表示価格はすべて税込です。薬剤の仕入れ価格や供給状況等により、予告なく料金が変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
診察料・検査費用
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| 初診料 | 5,000円 |
| 再診料 | 1,000円 |
| 血液検査 | 必要に応じて実施:2,000円 |
| 腹部エコー | 必要に応じて実施:8,000円 |
【ゼップバウンドの承認・安全性について】
ゼップバウンドは、国内で肥満症の治療薬として承認されている医薬品です。
当院では、美容・痩身目的での使用は行わず、医学的に肥満症治療が必要と判断された方に対して、承認された適応・用法に基づき、自費診療として処方しています。
治療には、吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの副作用があり、まれに急性膵炎や胆のうに関する病気など、重篤な副作用が生じる可能性があります。
医薬品副作用被害救済制度の適用可否は、医薬品の使用状況や健康被害の内容などに基づき、個別に判断されます。
まとめ
「なかなか痩せない」「肥満によって病気が悪くならないか心配」。そのようなお悩みがあれば、まずは健康状態を確認することから始めましょう。
ひとみるクリニックが大切にしているのは、「不安を安心に変える」ことです。病気だけでなく、一人ひとりの生活背景やお悩みにも目を向けています。
単に体重を減らすのではなく、これから先も健康に過ごせることを目指して、一緒に治療方法を考えていきましょう。

肥満に伴う健康上の問題が気になる方、食事や運動だけでは十分に体重を減らせなかった方は、一度ご相談ください。
現在の健康状態を確認し、薬物治療の必要性も含め、一人ひとりに合った治療方法を一緒に考えていきます。
ご予約は、こちらから。