• 2025年8月1日

鼻から?口から?胃カメラの違いと選び方を徹底解説

胃カメラ検査を受けることになった時、「鼻から入れるのと口から入れるのと、どちらがいいのでしょうか?」と悩むことも多いと思います。確かに、初めて検査を受ける方にとっては、どちらを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

経鼻挿入法(鼻から入れる方法)と経口挿入法(口から入れる方法)には、それぞれ異なる特徴があります。この記事では、両者の違いを詳しく解説し、あなたに最適な選択ができるようサポートいたします。

この記事を書いた、院長の高見 友也です。

『不安を安心に』変えることのできるクリニックを目指して、幅広い診療を行っています。ここでは、いくつかの専門医をもつ立場から、病気のことや治療のことをわかりやすく説明しています。

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目次

  1. 【経鼻挿入と経口挿入の基本的な違い|挿入経路と前処置の比較】
  2. 【検査時の快適性と負担の違い|痛みと不快感を詳しく比較】
  3. 【どちらを選ぶべき?最適な選択のポイント|症状と目的に応じた使い分け】

【経鼻挿入と経口挿入の基本的な違い|挿入経路と前処置の比較】

まず、鼻から挿入する方法(経鼻挿入法)と口から挿入する方法(経口挿入法)の基本的な違いについて説明します。

【挿入経路の違いとその影響】

経鼻挿入法では、鼻の穴から内視鏡を挿入し、鼻腔を通って上咽頭(のどの奥)を経由して食道へと進みます。この経路では、嘔吐反射(オエっとなる反射)の原因となる舌の付け根部分を避けて通ることができます。

一方、経口挿入法では、口から内視鏡を挿入し、舌の上を通って舌の付け根部分を通過して食道へと進みます。この際、舌の付け根にある咽頭反射を起こしやすい部分を通過するため、嘔吐反射が起こりやすくなります。

【前処置の違い】

経鼻挿入法では、鼻腔内の前処置が重要になります。まず、鼻の通りを良くするための血管収縮薬(鼻づまりを解消する薬)を使用します。その後、鼻腔内にスプレー麻酔を行い、さらにゼリー状の麻酔薬を注入して十分に麻酔を効かせます。

経口挿入法では、のどの麻酔が中心となります。のどにスプレー麻酔やゼリー状の麻酔薬を使用し、舌の付け根から食道入口部までを麻酔します。また、胃の中の泡を取り除く薬も併用します。

【検査時の快適性と負担の違い|痛みと不快感を詳しく比較】

次に、多くの方が最も気になる検査時の快適性について、詳しく比較してみましょう。

【嘔吐反射の起こりやすさ】

経鼻挿入法の最大のメリットは、嘔吐反射が起こりにくいことです。舌の付け根を通らないため、多くの方が「思ったよりも楽だった」と感想を述べられます。特に、普段から嘔吐反射が強い方にとっては、大きな利点となります。

経口挿入法では、経鼻と比較すると嘔吐反射が起こりやすくなります。ただし、適切な麻酔とリラックスした状態を保つことで、この反射を軽減できます。また、鎮静剤を使用することで、反射をさらに抑制できます。

【挿入時の痛みと不快感】

経鼻挿入法では、鼻腔内への挿入時に軽い違和感や圧迫感を感じることがあります。特に、鼻の構造によっては、挿入が困難な場合もあります。また稀に鼻出血をきたすことがあります。

経口挿入法では、のどを通過する際に圧迫感や異物感を感じます。嘔吐反射が強い方では、この感覚が強くなりますが、麻酔と鎮静剤により大幅に軽減できます。

【どちらを選ぶべき?最適な選択のポイント|症状と目的に応じた使い分け】

最後に、どのような場合にどちらの挿入方法を選ぶべきか、具体的な選択のポイントをお伝えします。

【経鼻挿入法が適している方】

初めて胃カメラ検査を受ける方には、経鼻挿入法をお勧めすることが多いです。嘔吐反射が少ないため、検査への恐怖心を軽減できます。

また、嘔吐反射が特に強い方、不安が強い方、心疾患などで鎮静剤の使用が困難な方にも適しています。検査後すぐに仕事や運転が必要な方にも、経鼻挿入法は良い選択肢です。

定期的な健康診断やピロリ菌除菌後の経過観察など、スクリーニング目的の検査にも向いています。

【経口挿入法が適している方】

鼻に病気がある方(副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼻炎など)や、血液をサラサラにする薬を服用している方にも、経口挿入法が選択されることが多いです。

【医師との相談の重要性】

最終的な選択は、症状、検査の目的、体質、既往歴などを総合的に考慮して決定する必要があります。遠慮なく医師に相談し、不安や希望を伝えてください。

経験豊富な医師であれば、あなたに最適な挿入方法を提案してくれるはずです。また、検査当日の体調や状況によって、方法を変更することも可能です。

【検査施設の設備】

検査を受ける施設によって、対応できる挿入方法が異なる場合があります。事前に確認し、両方の選択肢がある施設を選ぶことをお勧めします。


まとめ

経鼻挿入法と経口挿入法には、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。経鼻挿入法は嘔吐反射が少なく、鎮静を使用しない場合は、検査後の制限も少ないという利点があります。一方、経口挿入法は精密な診断や治療に適しており、鎮静剤の使用により非常に楽に検査を受けることができます。

大切なのは、あなたの状況や希望に合わせて最適な選択をすることです。どちらの方法でも、適切な前処置と経験のある医師による検査であれば、安全で有効な検査を受けることができます。

検査への不安を軽減し、早期発見・早期治療につなげるためにも、医師との十分な相談を通じて、あなたに最適な挿入方法を選択してください。定期的な胃カメラ検査により、健康で安心な生活を送っていただけることを願っています。


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